君がいるから~Sweet Life~
第9章 3×e
「え、これ翔ちゃんが作ったの?」
並べられた料理を見て、智が俺を見た
「…俺は仕上げだけ。殆ど二宮がやってくれた」
正直に白状すれば
「だよね」
なんて憎まれ口
「分かってんだろ」
「でも嬉しい」
思わず赤くなる
だって智の事を想いながら、ずっとシミュレーションまでしてたんだから
「ほら、智!主役なんだから座れって」
照れを隠したくて、まだ立ったままの智を誕生日席へ促した
やっと全員がテーブルを囲んで腰を降ろしたところで
「話はいっぱいあるけどさ、まずは…」
「大ちゃん」
「大野さん」
「…智」
俺たちはグラスを高く掲げると
「お誕生日、おめでとう!!」
3人で声を合わせて、智にお祝いの言葉を投げ掛けた
「ヤバイ…マジで嬉しい」
智の目が潤む
「喜んで貰えたなら良かったよ」
にっこりと笑って智を見たら
「翔ちゃーん!」
いきなり席を立った智が俺に抱き着いた