君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
でもなぁ
これまではぐらかされてるしなぁ…
これはもう、家に帰ってから
ゆっくり追求する方が、良いのかも知れない
あ、ついでに
もう一度、一緒に米の水加減も見てやるか
逆ギレも腹立つけど
やっぱりご飯は美味しく食べたい
俺は隅にある籐のチェアーにもたれ掛かって
翔ちゃんが出てくるのを待つことにした。
扇風機の風が気持ちいい。
やっぱり俺には
睡眠の神様がくっついてるみたいだ
あっという間に、夢の中に引き摺り込まれて行ったんだから…
夢の中で
俺は何かを探していた
目の前に、翔ちゃんがいるのに
何故か俺は見向きもしないで、その横をすり抜けて行って
…だけど、その先にはまた
翔ちゃんがいる。
さっきの翔ちゃんは笑ってたのに
こっちの翔ちゃんは
何だか泣きそうな顔をしている。
俺は、その泣きそうな翔ちゃんに
手を伸ばした。
翔ちゃんがそれを取って
俺を引き寄せて
…力一杯抱き締めたところで
「あ…」
パチッと目が覚めた。