テキストサイズ

君がいるから~Sweet Life~

第1章 S


とは言え

人間だから、ルールなんて従えない事はある

そんなのは俺だって分かってる


分かってるけど

それを受容できない俺も

おんなじ人間なんだっつーの



寝室に引っ込んでる翔ちゃんをほっぽって

ソファーに寝転んで

テレビをつける。


土曜の朝の番組は

良く分からないバラエティーばかりで

起きたばかりなのに

眠気を誘う。






「智…智ってば」

肩を揺さぶられて

ハッと意識が戻った。


「あれ…寝てた?」

「イビキ掻いてたよ」


翔ちゃんが、ソファーの下に座る。

でも、何も言わないから

俺も何も言わない。


暫くの間、沈黙が続く




「智、ドライブ行かない?」

それを破ったのは、翔ちゃんの方

「いいけど…」


断る理由もないから

「支度、してくる」

そう言って、ソファーから降りた。


翔ちゃんが

俺を見つめてるのが

背中に感じられた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ