君がいるから~Sweet Life~
第4章 2×e
素早く着替えて、いそいそと支度をする智は
まさに
【水を得た魚】ってやつ
…その、魚を自分で釣るんだけどね
毎回の事ながら、普段とのギャップは
面白いくらいだよ
「翔ちゃん支度は?」
洋服に着替えながら、座っている俺を見た
「え、送るだけだからこのまま…」
「何言ってんの?翔ちゃんも一緒に決まってんじゃん」
「は?」
…ちょっと待て
俺は、送迎すると言ったんだ
一緒に乗るとは言ってない
「いやいやいや…俺はそうげ、」
「最後まで、責任取れよ
…腰、痛いよぉ…誰のせいかなぁ?」
わざとらしく、腰を擦るとか
上目遣いで俺を見るとか
「…分かりました、お付き合い致します」
こんな仕草をされて
俺が断れるはずもなく
ただ、がっくりと項垂れるしか
残されていなかった
ああ…
俺の休日、オワタ
大雨でも降らないかな…