君がいるから~Sweet Life~
第4章 2×e
「釣ったヤツが最後まで責任持てよな」
おーい…
無理矢理やらせたのは誰ですか
とにかくやってみ?
なんて竿を持たせたのは誰ですか
「もう…いつまでも不貞腐れんなって」
正直、少し面倒になった
「だって…」
頬をぷぅっと膨らませてるその顔は
まるで子供のようで
「たまたまだよ…智の方が絶対上手いんだから」
ビギナーズラックってやつだよ、うん
それしか言い様がない
だって本当の事だし
「ほら、帰ろ?」
そう言って、背中を軽く叩いたら
智は無言のまま、コクリと頷いた
何となく重たい雰囲気のまま、殆ど喋る事もなく家に着くと
智は何も言わずにクーラーボックスをキッチンに持って行った
そして、てきぱきと魚を次々に仕分けしていく
「智…?」
「だって、翔ちゃん出来ないでしょ」
ちょっと顔を赤くしながら、そんな事を言うから
思わず顔がにやけちゃったじゃないか