君がいるから~Sweet Life~
第4章 2×e
何とかふんばって、二宮の体を支える
「ど…どうしたんだよ?」
何も言わずにしがみつく二宮に、掛ける言葉なんて
…これしかないだろ
電話越しとは言え、怒鳴り声にまず驚いて
普段の二宮からは想像出来ない形相で、俺にしがみついているんだから
…小さく震える体が、何だか昔飼っていた子犬みたいで
引き離すのも何だか憚られてしまう
「…とりあえず、中に入れよ」
まだ靴も履いたままの二宮に、それを脱ぐように促した
無言で靴を脱いだ二宮の背中に手を添えて
リビングまで連れていくと
「お、にの…いらっしゃーい」
智が能天気に笑っていた
「おおの、さん…っ」
智の笑顔に緊張が解けたのか
二宮はいきなり床に座り込むと
ぽろぽろと大粒の涙を溢し始めた
「え…ちょっ…二宮?」
俺が慌てて隣にしゃがみこむと
「俺、何か変な事言った?」
と、オロオロした智が
駆け寄ってきた