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君がいるから~Sweet Life~

第1章 S


車は高速に入った

一体どこに行くつもりなんだろう。


ただのドライブなら

わざわざ高速に乗る事はないだろうから

多分

翔ちゃんには、何か目的があるはず



気になる

すごく気になる



…でも、聞かない。

聞いてやるもんか



良い歳して

何やってんだか

俺も、翔ちゃんも…


ってか

大人だから

素直に言えなくなるのもあるんだろう。

それは分かる。



…それにしても

この狭い空間で

まるで息を潜めるような沈黙は

かなり疲れる。



これなら

出掛けない方が良かったんじゃないかとさえ思ってしまう




沈黙が嫌なら話し掛ければいい。

そんなのも分かってる

けど

最初に不機嫌になったのは翔ちゃんなんだから

俺が折れるってのもおかしい話で



それなら

寝てしまえばいいんだけど


何故か眠気が訪れない。


おかしいな…

普通なら、睡眠まで30秒落ちの静寂なのに






参ったな…

マジでしんどいぞ


高速の景色じゃ、防音壁しかない。


…マジで、我慢大会…



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