君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
こうなったら
俺と翔ちゃんの根比べだな
まあ、俺の方が有利だと思うけど?
始めちゃいますか
我慢大会。
勝手に始めたくせに
黙ってる翔ちゃんがそれに参加してる気分になった
翔ちゃんは喋るのを我慢してる
…なんて考えるようにしたら
何だか可笑しくなってきた。
「何、笑ってんの?」
知らず知らず、俺は顔がにやけていたらしい。
訝しげに翔ちゃんがこっちをチラッと見た。
「よし!俺の勝ちぃっ!」
「は?」
「え?」
…しまった。
脳内我慢大会だった。
バカじゃん、俺…
「ぷ…ぷぷぷ」
あまりにバカバカしくなって
吹き出しそうになったのを堪えてたら
「ふ…ふはっ!」
翔ちゃんがつられて、先に盛大に吹き出した
そこからは
暫くの間、二人とも笑いが止まらなくなった
笑いすぎて、涙が止まらない
翔ちゃんの握るハンドルが
笑う度にブレて
その度に
翔ちゃんが慌ててハンドルを戻す姿に、また笑う
箸が転んでも可笑しい年頃
…じゃないけど
さっきまでの通夜車内は
一体何だったんだってくらい
笑い続けた