君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
「だって、うちに来た事あるだろ」
「へ?」
困った笑いから盛大な笑いになって
…次は面白そうな笑いに変わる
「俺とはいつからの付き合いですか」
「あ……」
“気付くの遅いよ“ と翔ちゃんは俺にデコピンしてきた
そうだった
高校生の時、何度か行ってるじゃん俺
何なら泊まった事もあるんじゃん
「…なのに、何でそんなに驚くの」
「や、それは…」
…言えない
だって、すっかり翔ちゃんは「恋人」になっていて
人には言えない同性の関係で
だから、親に会うなんて天地がひっくり返っても起きないもんだと
…思い込んでたなんて
「ねぇ、智?」
座っているベッドのスプリングが軋んだと思ったら
翔ちゃんはそのまま俺を覗き込んできて
あっという間に、背中とシーツが仲良しになっていた
顔の脇に、翔ちゃんの両手が置かれる
「なななな、…なに?」
「言っちゃって良いんだよ?」
「へ?」
翔ちゃんの顔が近付いて、おでこにキスをしてきた
「智は俺の恋人だって」