君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
恨めしげに
…だけど、翔ちゃんが用意した朝食を食べる俺を
何故か楽しそうに見つめる翔ちゃん
「…食べにくいんだけど」
「ん?何が?」
分かってるくせに、わざとしらばっくれる
「だーかーらー!見られてると食べにくいっての!」
そう言いながらもパンを頬張る俺に
翔ちゃんが、手を伸ばした
そして、そっと降りていた前髪を後ろに撫で付けると
「…愛してるよ❤」
蕩けそうな顔で、いきなりそう囁いた
「ゴフッ!」
まさかの囁きに、思わず噎せ込む
「あーあ、…大丈夫?」
必死に胸を拳で叩く俺に、のんきな声
誰のせいだ!
こんな時に、不意討ち食らって
受け流せるわけないだろ!
つっかえたパンを何とか納めて
コーヒーで流し込んで一息ついてから
涙目のまま、翔ちゃんを睨み付けた
「やめろ、その不意討ち」
「えー…そんなつもりじゃないんだけどな」
だけど翔ちゃんは、相変わらず笑ったままで
俺の睨みなんか全く意に介してないのが分かった