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君がいるから~Sweet Life~

第7章 i


「俺はいつだって言いたいんだよ?」

尚もニッコリとしながら囁く翔ちゃんに
これ以上何も返せる言葉は見つからなくて

視界からも、聴覚からも
翔ちゃんをシャットアウトして、俺は朝食を終わらせる事に専念する事にした




「ごちそうさまでした」

食べ終わって、お皿をシンクに持っていく
自分で食べたものは自分で片付けるのが、俺達の基本ルール

スポンジに洗剤を付けて洗っていたら
翔ちゃんが、スッ…と俺の隣に来た

「なに」

洗ってるから邪魔、と無言の牽制
そしたら

「え…っ」

いきなり抱き締められた


最近は一緒にいるのが当たり前で
こんな事、してなかったから

やたらと心臓がバクバクしてしまう
どうして良いか分からなくて、固まってしまった


「智…」

熱っぽい声で囁かれたと思ったら
すぐさま顎を捉えられて

「ん…っ」

あっという間に唇を塞がれていた


抱き締め返したいけど、俺の手は泡まみれで
しっかり翔ちゃんに体を包まれているのに
自分の手はシンクから動かせない

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