君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
結局早起きした(させられた?)にも関わらず、慌てて出勤する羽目になってしまった
とは言え、1人の時と違うのは
翔ちゃんが一緒だから、おのずと出社時間は早くなっていて
一番乗りの日も珍しくない状態だったけど
外回りついでに、直帰する報告をして
いつもより早く家に着いた時
…エントランスに見覚えのある顔を見つけた
少し困ったような顔をしている
中年の女性
誰だっけ?何かどこかで見た事ある気がするんだけど…
ふと、人の気配に気付いたのか
その人がこっちを見る
「もしかして…大野くん?」
俺の名前を呼んで、ニコニコと近付いてきたその人は
やっぱりと言うかお約束と言うか…
「おばさん……」
翔ちゃんの、お母さんだった
「やっぱり!変わってないわ~っ」
嬉しそうに、俺の両手を取って
ブンブンと勢い良く振っている
今まで見たことのないような、ハイテンション
「と…とりあえず、中にどうぞ」
このままにする訳にも行かないから、俺と二人で
家に向かう事にした