君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
「元気だった?」
コーヒーを飲んで一息ついた時、おばさんから話しかけられた
「あ、はい」
「うふふ、緊張しないで」
いやいや、無理だから
「まさか、こんな形で大野くんに会うとは思わなかったけど」
ニコニコしてるけど、本心が見えないとこは翔ちゃんにそっくりだ
だから、何と言って良いのか分からなくなる
「あのね、大野くん?」
「は、はい?」
思わず背筋が伸びた
それを見て、おばさんがまた笑った
「翔の事、よろしくね」
「え、…」
「反対なんてしてないから安心して
…そりゃ、驚いたけどね」
「…すいません」
俺は謝るしか出来なくて
だって、俺と一緒にいる以上、翔ちゃんの子どもを抱かせる事は敵わないし
人の道を外したと言われても仕方ない関係なんだから
「こら!謝るな」
突然おばさんが、俺を小突いた
驚いて顔を上げると、そこには
まさに「慈愛に満ちた」なんて表現がぴったりのおばさんがいて
「…謝る事なんか、ないのよ?」