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君がいるから~Sweet Life~

第7章 i


おばさんの、その笑顔に
俺はやっぱり何も言えなくて…

「翔が選んだ人に、ケチなんて付けられないでしょ?」
「え、…」

「それにね、大野くんならおばさん大歓迎!」
「へ?」

翔ちゃんそっくりの、笑顔

「だってね?翔なんか、小さい頃からやたら冷静で可愛げないし、修だって、なーんかおっさん臭くて

…大野くんてば、それに引き換え可愛いんだもの~!」

えーと

これは、喜ぶとこなのか?
可愛いって言われるのは、かなり微妙なんだけど


「悪かったな、冷めたガキで」

突然、リビングの入口から
不機嫌な声が降ってきた


「翔ちゃん!」

「…何でかあさんがいるの」

カバンを持ったまま、リビングに入ってくると
小さな声で “智、ごめん“ と囁いて

ドカッと椅子に腰を降ろした


「あらお帰り、翔」
「お帰りじゃないだろ、全く…」

おばさんは飄々として、俺の淹れたコーヒーを飲んでいる

「来るの、週末って言ってただろ?」
翔ちゃんの声は相変わらず不機嫌で

おばさんは平然としてるし

…いたたまれないのは、俺


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