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恋しちゃ……ダメなのに

第2章 仮初の幸せ

私は頷くしか出来なかった。
頷いても分かったと言っても脳が把握してくれない。
それでも分かるとしか出てこなかった。

ただ、私の前に救えなかった子が居た。
罪滅ぼしのように私に優しくしているのか?と聞いてみたら。

「最初は罪滅ぼしになればと思って声をかけたけど今は違うよ。奏ちゃんと話すのは好きだし少しでも人と話すのが好きになって貰えればと思う」

「……透さん、そんな事言われたら私……私……」

「ダメだよ、そこから先は」

と言って、私の唇に徹さんの手が優しく触れる。

「奏ちゃん、少し明るい話をしようか」

「はい」

「ロリータコンプレックスって知ってるかな?」

「えっと……大人の男の人が小さな女の子を好きになるというやつでしたっけ?」

「そうだね、よく知ってるね。でも本当は違う意味なのは知ってるかい?」

「違うんですか?」

「そうだよ、本来ロリータコンプレックスというのは小さい女の子が大人の人を好きになる事を言うんだ。奏ちゃんが今抱いてる気持ちのように」

「え?」

「一応俺も大人だよ、奏ちゃんの事はちゃんと見ているよ。でも奏ちゃん、今奏ちゃんが好きっていう気持ちは多分本当の好きって事じゃ無いと思うんだ」

「違うんですか?」

「こればっかりは奏ちゃんの気持ちだから多分になるけど、憧れを好きと受け取ってたりとか好き
は好きでも家族に向ける好きとかに近いんじゃないかな?」

「よく……分かりません」

「今はそれでいいよ、でも大きくなったら多分今言った意味が分かる時が来ると思う」

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