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恋しちゃ……ダメなのに

第2章 仮初の幸せ

私は言われた事がよく理解出来なかった。
もしかしたら理解しようとしていなかったのかもしれない。
じゃあこの気持ちは偽物なのかな?

「ごめんね、明るい話ししようとしたのにこんな事を言っちゃって。でもね奏ちゃん、君はまだ幼い。恋愛よりももっとたくさんの事を知る事が出来るんだよ。それこそ、大人が必死になっても経験出来ない事を奏ちゃんなら経験出来るんだ」

「透さんが経験出来ない事?」

「今、奏ちゃんは学校は嫌いかい?」

「好きか嫌いかで言えば嫌いです」

「そう、嫌い。それが普通、俺もそうだったしね。でもね、今になると学校が恋しいんだよ」

「学校が?」

「そう、もう戻れない過去。奏ちゃん1つお願いしてもいいかな?」

「お願いですか?」

「これは奏ちゃんにしか頼めないお願いなんだ」

「わ、私に出来る事なら」

「学校を楽しんでくれないかな、俺の分まで」

「え?で、でも私は学校で嫌われてて」

「奏ちゃんならきっと大丈夫。だってもう1人じゃないでしょ?」

私は、あっ!となった。

もう1人ぼっちじゃないんだ。

「きっと見えてないだけで、学校でも1人じゃないかもしれないよ?」

「そ、そうかな?」

「だって、こんなに可愛い子をほっとける男子はいないと思うよ」

「え?嘘。私はいつもブスって言われてるのに」

「奏ちゃんはきっと将来綺麗な人になれるよ」

と言って私の頭を撫でる透さん。

「ほんとに好きですね撫でるの」

「そりゃ、ずっと撫でていたいぐらいだよ」

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