恋しちゃ……ダメなのに
第2章 仮初の幸せ
その時の私は知らなかった。
いや……知ろうともしなかった。
少し考えればわかる事だったのに。
夢を見た少女はいつか現実を見ないといけないことに。
でもそれは、この時の私ではなく。
もう少し未来の私。
学校帰り図書館に行く。
透さんが居ないのは分かってた筈なのに、透さんを探している私。
「奏ちゃんこんにちわ、透は居ないよー」
「桜さん、こんにちわ。あれ?透さんの呼び方変わったんですね」
「んー、向こうが桜さんって呼んでくれてるのに私だけ名字ってのも変だからねー」
「たしかに、変ですね」
「でしょー?あ、もうちょっとで私あがるから待っててね」
「はい」
今日は宿題が珍しく無く、本をしばらく読んでいた。
徹さんが選んでくれた本の1つ。
5冊選んでくれて私が気に入ったのは2つだった。
「奏ちゃんお待たせ、何を読んでるの?」
「透さんに選んでもらった本を読んでます」
私は本に栞を挟み、パタンと本を閉じる。
「外行こっか、いつもはベンチ見たいだけどちょっと歩いて喫茶店に行かない?」
「はい!」
と私は大きな声で言ってしまい顔を赤くした。
桜さんも笑っていた。
いや……知ろうともしなかった。
少し考えればわかる事だったのに。
夢を見た少女はいつか現実を見ないといけないことに。
でもそれは、この時の私ではなく。
もう少し未来の私。
学校帰り図書館に行く。
透さんが居ないのは分かってた筈なのに、透さんを探している私。
「奏ちゃんこんにちわ、透は居ないよー」
「桜さん、こんにちわ。あれ?透さんの呼び方変わったんですね」
「んー、向こうが桜さんって呼んでくれてるのに私だけ名字ってのも変だからねー」
「たしかに、変ですね」
「でしょー?あ、もうちょっとで私あがるから待っててね」
「はい」
今日は宿題が珍しく無く、本をしばらく読んでいた。
徹さんが選んでくれた本の1つ。
5冊選んでくれて私が気に入ったのは2つだった。
「奏ちゃんお待たせ、何を読んでるの?」
「透さんに選んでもらった本を読んでます」
私は本に栞を挟み、パタンと本を閉じる。
「外行こっか、いつもはベンチ見たいだけどちょっと歩いて喫茶店に行かない?」
「はい!」
と私は大きな声で言ってしまい顔を赤くした。
桜さんも笑っていた。