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恋しちゃ……ダメなのに

第2章 仮初の幸せ

「最後の仕上げにこっち向いて」

私は言われたとおりに桜さんよ方を向く。
桜さんの手が私の前髪に触れたと思ったらパチンという音がした。

「はい、鏡」

「あ、ありがとうございます」

「どうかな?」

「ちょっと恥ずかしですけど凄いです」

「ツーサイドアップにしてみたのとちょっと前髪をヘアピンで止めておでこ出してみたんだけど」

鏡の中の私は今までの私と随分と印象が違っていた。
髪型変えてヘアピンをつけただけなのに。

「ちょっと写メ撮るねー」

「え??ちょっと待ってくだ」

パシャリ

「ちょっと桜さん!」

パシャリ

「何回撮ってるんですか!」

パシャリ

「ほんとおこ……」

「奏ちゃん、怒りたいなら怒っていいんだよ」

私は俯く。

「嫌な事は嫌って言わないと」

「はい」

「じゃあ透に送っとくね」

「……は…い??」

「送っといたよー」

「もう……いいです。好きに送ってください」

「分かったほんとうに送るね」

「え?本当に?」

「うん、今正真正銘送った」

「え??さっきのは?」

「ケータイ見てみなさいな」

私はスマホを取り出すとラインの画像が送られてたと通知が来ていた。

「何で私に?」

「私からは透に奏ちゃんが写メ送るからちゃんと褒めてあげなさいよと送ったのよ。自分で透に写メ送りなさいよ」

「分かりました送りますぅ」

「送る前にさっきはちょっとぶれたりしたから後1枚ぶれないように撮らせてね」

私は頷き、透さんの事を想って少し笑ってみた。

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