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恋しちゃ……ダメなのに

第2章 仮初の幸せ

「奏ちゃん、その笑顔いつも透に見せてるの?」
スマホを構えてる桜さんかがそう言った。

「よく分からないです、笑ってみようと思っただけです」

「そう」

桜さんはスマホを構えてたのを下ろした。

「どうしたんですか?」

「その笑顔は直接見せてあげなさいよ」

「どうしてですか」

「その笑顔は反則だからよ。そろそろ帰りましょうか長居しちゃったしね」

反則と言われ私はよくわかってなかった。
同じ歳の人からは忌み嫌われ、蔑み、居ないものとあつかわれてる私には。

そして、あの一言さえ聞けてればよかったのに。
その事を聞いてそうだと言われるのが怖くて、ただ桜さんとの話をして気を紛らわしていたのかもしれない。

そしてその日の夜透さんに写メを送った返事が返ってきていた。

「奏ちゃん可愛いよ!」

と、そして通話をしてくれた。

「ありがとうございます」

「随分と印象変わるんだね、やっぱり女の子は凄いよ」

女の子……。
「そんなに変わりましたか?」

「うん、それで学校行ったら男の子からとかもかなり視線集めそう」

私が見て欲しいのは透さんだけなのに……。

「透さん、私は……」

「ごめん、今日はもう無理そう。切るね」

私はどうしたいんだろう?
桜さんの言葉が私の中でぐるぐると渦巻く。

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