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キミまでの距離

第1章 出会い

レジに通して袋に入れる。

なんか喋りかけたいけど言葉が出てこない。

「二宮くん。」

「はい!」

「くふふ。」

「あ、どうして名前…。」

「ネーム。」

…そうだね。
俺、ネーム付けてたね。
バカ…。

「この時間バイト入ってんの?」

「はい。大体。」

「そうなんだ。また来るね!」

「はい。本当にありがとうございました!」

「いーえ。どういたしまして。頑張ってね!」

手を振って店を出た。

俺も降りそうになった手を下げた。

あの人、見たことあるなぁ。

あー名前聞くの忘れたー。

俺にちょっかい出したおじさんに感謝だな。


*****


数日後。

来たーーー!

「二宮くん!こんばんは。」

「お疲れ様です。」

今日もビールとお弁当。
一人暮らしなのかな。
このビール、俺も好きなやつだ。

「ね。二宮くん。よかったら今度ご飯行かない?この時間に働いてるってことは未成年じゃないよね?だったらさぁ飲みに行かない?」

「え!」

「ごめん。いきなり。なんか二宮くんと仲良く?…友達になりたいなぁって思って。」

「行きます!行きたい。」

「よかったぁ。じゃあ連絡先、交換して。」

「はい。」

俺はポケットから携帯を出して渡した。

「あ。名前。教えてもらってもいいですか?」

「相葉です。相葉雅紀っていいます。よろしく。二宮……?」

「和也です。」

相葉さんが自分のと俺の携帯にも登録してくれた。

「休みの前の日がいいよね?」

「はい。でも休みっていうか…昼間は別なバイトやってるけど、夜のバイトが入ってない日なら、いつでも。」

「じゃあ後からメールしてね!」

「はい。」

相葉さんが帰った後、携帯を見てみると入ってた連絡先。

【相葉雅紀】

うれしくて何度も見てしまった。

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