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第7章 運命の人



時々思うんだ。

俺が女に生まれてきてたら…って。

普通に手を繋いで歩いたり、家族や友達にも紹介したり。

結婚もできる。

にのの子どもを産んで育てる。
…なんて。

俺とにのの子どもだって…
可愛すぎない?

でも。
どちらかがこの世界で生きてたら。
アイドルなんてやってたら。
それはまた叶わない。

それに女の子だったら出会えてただろうか。
運命だったら出会えるのかな。

でもなんだか…
しっくりこない。

男同士で…
大変だったけどさ。

気の合う友達、優しい親友、頼もしい仲間、支え合うメンバー。

かけがえのない存在で、気がついたら、いつのまにか好きになってて。

切なく苦しい時を過ごして。
想いを持ち寄って確認して。

可愛い恋人になった。

今までのすべてが俺たちを作り上げてる。

女の子ではイメージできないけど、
あの日、あの時、あの日々…
もう1度あの頃に戻ったとしても、にのとは出会うと思う。

にのが声を掛けなくても。
俺が声を掛けた。

あの日々の中できっと見つけたと思うんだ。

引き寄せられるに決まってる。

そう言うと可愛い恋人が優しい優しい眼差しで顔を近づける。

キュンとする瞬間。

ふふんと笑ったかと思うとそっと抱き寄せられて、
ちゅ、ってキスをした。

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