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ネットに落ちてた怖い話

第52章 自傷癖

彼はこのとき初めて自分の妻が恐ろしくなった。
少なからず精神の傾斜がおかしいと感じざるを得ない。
しかし医者に行け!というのもためらわれた。
彼女の田舎では精神科=社会生活不適合者というイメージが根強く、とても聞いてくれそうも無い。

仕方なく彼は自分と妻のストレスを和らげるためによかれと、つがいのオカメインコを飼い始めた。
彼女も喜んで世話をしているようで、彼もほっと一安心していた。

そんな折、また出張の命令がきた。
少し心配に思いつつも、まあ最近は落ち着いてきたようだからと彼は自分を納得させ

「出張に行くけど、風邪引くなよ。あとインコの世話も頼むよ」

と出かけていった。

2泊の出張を終え、家に帰った。
妻は快活な笑顔で迎えてくれた。
よかった、彼は胸をなでおろした。

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