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ネットに落ちてた怖い話

第59章 アケミちゃん

俺の部屋は2階にあるのだが、アケミちゃんが部屋の窓から身を乗り出し、片手に中華包丁を、もう一方の手に自分の頭のパーツを掴み、丁度俺のほうを見ながら下へと飛び降りるところだった。

俺はもう頭はパニック状態、ションベン漏らしそうになるほど恐怖し、いい年こいて涙目になりながらもう道順も目的地も何も関係無しに全力で逃げ出した。

後ろのほうから、かなり遠くにだがカチカチカチカチ…と音がする。

恐らくアケミちゃんが俺を追ってきている音だ。

俺は

「追いつかれたら確実に殺される」

と思いながら、ふとさっきアケミちゃんが言っていた事を思い出した。

「“私”を捨てたら殺すから」

と。


“私”ってどういう意味だ?

本体はあの指ってことか?


意味が良く解らないが、とにかくこれが鍵になりそうではある。

しかしどうしたらいいのかは解らない

捨てなければどこまでも追いかけられるだろうし、しかし捨てたら殺すと言われた。

だが、そもそもこの状況、どう考えても指を捨てようが捨てまいが追いつかれたら殺される。

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