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ネットに落ちてた怖い話

第60章 巣くうもの

もう逃げたいのに身体が動かなくて、横見たらやっぱり仲間がへたってるし、音は近づいてきて、姿は見えないけど絶対に何か居たと思う。

「俺君、もっとこっち来て!!!!」

Aが怒鳴りながら俺の手を掴んで、何かを掴ませた。

俺が掴んだのを見たAは、今度は少し横でヘタってる奴を必死で引っ張って、また何かをつかませてる。

てか。よく見たら、俺が掴んでるのはBの右足。さっきの奴が掴んだのはBの左手。

Bの右手はAが掴んでる。

Cは相変わらずBをおぶってる。

AはBから手を離さずに必死に他の仲間を引っ張り寄せてた。


その後のことは、色々とよく解らなかった。

ただハッキリ覚えてるのは、気がついたら、目の前に何かがいたこと。

白いんだかグレーなんだか透明なんだか、煙なんだか人影なんだか、何か良く解らない「何か」が俺らの前に居た。

ちょうどその辺りから、ガシャガシャガシャガシャガシャ、ズシャズシャズシャズシャズシャ、みたいな金属音が耳一杯に響いてきてた。

いや、こう書くとその煙みたいなもんが金属音立ててたみたいだけど、そうじゃなかった。

俺らは「煙か人影みたいなもん」の背中を見てて、それが「見えない金属音の奴」とぶつかり合って止めてるんだって、そういう光景だった。

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