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ネットに落ちてた怖い話

第62章 喪服の女

ドアを開けて中に入ると、そこには先が真っ暗でよく見えない廊下が続いていた。

以前にも誰かが侵入した事があるようで、埃まみれの板張りの床にはいくつか靴跡も確認できる。やはりここは有名なようで、俺たちのように肝試しにやってくるやつは結構いるようだった。

廊下を進むと、すぐに板張りされて更に何か色々と荷物が置かれて封鎖されている玄関に出た。

玄関の左手には和室らしき部屋が、右側は暗くてよく見えないが、ガラス張りの戸になっているので恐らく台所だろうか、そして、台所のあるらしき側の壁に二階へと続く階段がある。

俺たちはまず左手の和室らしき部屋に入る事にした。
中に入ると結構広く、8畳くらいの部屋が2つ、真ん中を襖で仕切る構造になっている。家具類は一切無いが、なぜかぼろぼろの座布団が一枚だけ落ちていたのを覚えている。

とくに何も無さそうなので、俺たちが外に出ようとするとCが何かを見つけたらしく

「ここ開くっぽいぞ」

と床の間の辺りにしゃがみこんだ。

俺も言われて気付いたのだが、床の間の板張りの部分が一部ずれていて、どうもそこの板だけ取り外せるようになっているようだった。

先に部屋から出ていたA、Bと留学生2人も戻ってきたところで、最初にみつけたCが板を外してみた。

板を外すと、そこには幅40cmくらい、深さ30cmくらいの空間があり、中にこげ茶色の木の箱があった。

Cが板をあけた時の勢いのまま木箱を取り出し蓋を開けると、中には更に小さい桐製と思われる小さな小箱が納められている。小箱そのものは何年も放置されていたせいか黒く変色しカビらしきものも生えているが、明らかに高そうな品物を入れているっぽいつくりだった。

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