テキストサイズ

ネットに落ちてた怖い話

第62章 喪服の女

俺たちはそのマヌケな姿にさっきまでの気味の悪さから来る恐怖心も吹っ飛び、Aを「かっこわる~」とAを指差しながらゲラゲラ笑った。

この間、DとEは殆ど俺たちと絡まず、2人でずっと何か話していた。
こういう状況なのに妙におとなしいのを、少し怪しむべきだったかもしれない。

が、そのままにしておくわけにはいかないので、俺とBとCがAの背後と左右にまわり引っ張りあげようとした。

しかし、どうも床板の部分が“かえし”のようになってしまているらしく、力ずくで引っ張りあげようとしても無理そうな感じだった。

さてどうしようかと考えていると、Aが「ちょっと静かに、なんか上から聞こえる」と言ってきた。

耳を澄ますと、微かだが二階のほうから何か聞こえてくる。

カリ…カリ…カリ…

壁か床を爪で引っ掻くような、そんな感じの音だ。

DとEはお札にはあまり反応しなかったのだが、流石にこの状況の異常さはきついらしく、かなり不安そうな顔をしている。

というか、よくみると男同士なのに手を繋いでいる…

音はなおも二階から聞こえている。

Cが「ここ、俺たち以外誰もいないはずだよな…上に誰かいるってことは無いよな…?」というと、Bが俺に「なあ、2人でちょと確認に行かないか…」と言ってきた。

Aがかなり不安そうに「俺このままかよ!」というと、「CとDとEでAを引き上げてくれ、俺たち見に行ってくる」と俺を誘って部屋を出た。

まず言いだしっぺのBが階段を上り、俺がその後に続いたのだが、Bが階段を登りきる辺りで立ち止まり動かなくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ