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ネットに落ちてた怖い話

第62章 喪服の女

流石に俺とA、Cも何かヤバイという事が解り、無理矢理にでもAを引き上げようと力いっぱい引っ張る事にした。

その時、ふと俺が顔を上げたとき、床の間の方に信じられないものを見た。

なんと、DとEが懐中時計の入った箱を手に持ち、俺たちを置いて逃げようとしている。

俺は「おいD、Eお前ら何やってんだ!そんな事してる場合じゃないだろ、こっちきてA助けるの手伝えよ!」というと、2人は一瞬こちらを振り向いたが、そもまま部屋を出て逃げて行ってしまった。

ありえない、この状況でこんな事できる神経が信じられなかった。

一瞬俺とBが2人を追いかけようとしたが、まずはAを助けるのが先と気付き追うのをやめた。

そして、“かえし”になっている床板部分が問題という事で、急いでその部分を踏みつけて崩していると、とうとう足音が階段の近くまでやってきた。

そして、また

ガリガリガリガリガリ!

と激しく壁か床を引っ掻く音が聞こえてくる。

俺たちはかなり焦っていた、夏場で熱いのもあるが、明らかにそれとは違ういやな汗をかいていた。

…ミシ

足音はとうとう階段を下り始めた。
そのとき、やっとの事でAを引き上げることに成功した。

俺たちは大急ぎで部屋を出ると、もと来た廊下を戻り外に出た。
その時、俺は一瞬だが階段のところに人の足を見た、一瞬だったので良く解らなかったが、白い足袋を履いているように見えた。

そして全員裏口から外に出ると、そのまま外に停めてあった自転車に乗り、
全力でBの家まで逃げ帰った。

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