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ネットに落ちてた怖い話

第62章 喪服の女

Aは自分が一番危ない状況だったのだから当たり前だが。
そして俺が「あいつら見捨てて逃げただけじゃないぞ、あの時見つけた懐中時計を盗んで逃げやがった、しんじらんねぇよ…」と、懐中時計が盗まれている事も皆に教えた。

その日はそのままBの家に泊まり、DとEに文句言うのは月曜ということになった。

月曜日、俺たちが学校へ行くと、DとEは予想通り俺たちを避けていた。
文句を言おうにも授業が終ると教室の外へ行き、次の授業まで帰ってこない、そんな状態が暫らく続いた。

その間俺たちは、DとEの話をクラスのみんなに話したのだが、その時初めて何故女子が無視していたのかを知った。

なんとDとEは、女子相手にクラスの男子の陰口や自分達の自慢話をしていて、それで嫌われていたらしいのだ。
その結果、3日もしないうちにDとEはクラスで完全に孤立した。

それから数日後、俺たちはこの事件がまだ終わっていない事を思い知らされた。

最初の変化はBのところに現れた。
Bによると、夜中寝ているとBの部屋の窓のところに老婆が現れ、一晩中ガラスを引っ掻いていたらしい。

そして、同じ事それから一日後にAと、更に1日あけて俺ところにもやってきた。

ただ、窓辺に立って引っ掻く音を立てるだけで、実害らしい実害はなかったが、空き家であれの顔を見ていたBはかなり怯えていた。

俺のところに老婆がやってきた翌朝、その事を教室で話していると、Aが「もしかして…」と携帯を弄り始めた。

何かと思ってみていると、Aは携帯の地図を見せながら「ここがBの家で、ここが空き家で…」と説明し始めたのだが、俺はその意味がすぐに解った。

「問題の空き家から近い順に回っている?でもなんで?」Bが答えると、Aは「解らないけど、もしかして例の懐中時計を探しているとか…?」と言った。

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