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ネットに落ちてた怖い話

第33章 ばりばり

やった、助かった・・・? 


分で言ってなんだか変な感じがした。
何で外に出ただけで助かったなんて言えるのだろうか。

ここにきてやっと私は思い出した。

「・・・俺、この夢見たことある・・・」

そう、前に一度だけこれと同じ夢を見たことがある。
あのばりばりというメッセージも前の夢で自分が書いたものなのだろう。
この扉を出てすぐ右手にフェンスを切り取って作ったような簡単なドアがある。
前の夢ではそこを出た瞬間に目が覚めたのだ。
だから、ゴールが近いということを知っていたから「助かった」などと言ったのだ。
例えばりばりが追っかけてきたとしても、ダッシュで走ればもう追いつかれないという自信すらあった。

そう思って、私は扉のほうを見た。
絶句した。

私が通っていたころのその扉は常時開け放たれていた。
それなのに今は閉まった状態であり、おまけにごつい錠前までしてあった。

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