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ネットに落ちてた怖い話

第33章 ばりばり

「逃げなきゃ!逃げなきゃ!逃げなきゃ!」

私はとにかく走った。
あいつから少しでも離れなきゃいけなかった。

そこで私は思い出した。
たしか給食センターの車が入る門がある。あれはかなり低いのでよじ登ることだってできるだろう。
そこへ向かってがむしゃらに走った。

確かめてはいないが、すぐ後ろにばりばりがいるってことが何となく分かった。
しかも自分より速い。
50Mもしないうちに追いつかれるような勢いだった。

もうここからは感覚というものがほとんど無かった。
ただ走って、門が見えて、それを全身で這うようにして登った。
最後は転がり込むように門の外へ身を投げ出した。

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