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ネットに落ちてた怖い話

第43章 ヒッチハイク

キャンピングカーに乗り込んだ時、「しまった」と思った。

「おかしい」のだ。

「何が」と言われても「おかしいからおかしい」としか書き様がないかも知れない。

これは感覚の問題なのだから…ドライバーには家族がいた。
もちろん、キャンピングカーと言うことで、中に同乗者が居る事は予想はしていたのだが。


父 ドライバー およそ60代
母 助手席に座る。見た目70代
双子の息子 どう見ても40過ぎ


人間は、予想していなかったモノを見ると、一瞬思考が止まる。

まず車内に入って目に飛び込んで来たのは、まったく同じギンガムチェックのシャツ、同じスラックス、同じ靴、同じ髪型(頭頂ハゲ)、同じ姿勢で座る同じ顔の双子の中年のオッサンだった。

カズヤも絶句していた様子だった。
いや、別にこういう双子が居てもおかしくはない、おかしくもないし悪くもないのだが…あの異様な雰囲気は、実際その場で目にしてみないと伝えられない。

「早く座って」と父に言われるがまま、俺たちはその家族の雰囲気に呑まれるかの様に、車内に腰を下ろした。

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