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ネットに落ちてた怖い話

第43章 ヒッチハイク

「あの、ありがとうございます。もうここらで結構ですので…」

キャンピングカーが発車して15分も経たないうちに、カズヤが口を開いた。

しかし、父はしきりに俺達を引きとめ、母は

「熊が出るから!今日と明日は!」

と意味不明な事を言っていた。

俺達は腰を浮かせ、本当にもう結構です、としきりに訴えかけたが、
父は

「せめて晩餐を食べていけ」

と言って、降ろしてくれる気配はない。

夜中の2時にもなろうかと言う時に、晩餐も晩飯も無いだろうと思うのだが…
双子のオッサン達は、相変わらず無口で、今度は棒つきのペロペロキャンディを舐めている。

「これ、マジでヤバイだろ」
と、カズヤが小声で囁いてきた。

俺は相槌を打った。
しきりに父と母が話しかけてくるので、中々話せないのだ。

1度、父の言葉が聞こえなかった時など

「聞こえたか!!」

とえらい剣幕で怒鳴られた。
その時双子のオッサンが同時にケタケタ笑い出し、俺達はいよいよ「ヤバイ」と確信した。

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