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ネットに落ちてた怖い話

第43章 ヒッチハイク

変態一家から逃げたのは良いが、ここで遭難しては話にならない。
樹海じゃあるまいし、まず遭難はしないだろうが、万が一の事も頭に思い浮かんだ。

「朝まで待った方が良くないか?さっきのババァじゃないけど、熊まではいかなくとも、野犬とかいたらな…」

俺は一刻も早く下りたかったが、真っ暗闇の中をがむしゃらに進んで、さっきの川原に戻っても恐ろしいので、腰を下ろせそうな倒れた古木に座り、休憩する事にした。
一時はお互いあーだこーだと喋っていたが、極端なストレスと疲労の為か、お互いにうつらうつらと意識が飛ぶようになってきた。


ハッ、と目が覚めた。
反射的に携帯を見る。

午前4時。
辺りはうっすらと明るくなって来ている。

横を見ると、カズヤがいない。
一瞬パニックになったら、俺の真後ろにカズヤは立っていた。

「何やってるんだ?」

と聞く。

「起きたか…聞こえないか?」

と、木の棒を持って何かを警戒している様子だった。

「何が…」

「シッ」

かすかに遠くの方で音が聞こえた。

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