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ネットに落ちてた怖い話

第43章 ヒッチハイク

口笛だった。ミッ○ーマ○スのマーチの。
CDにも吹き込んでも良いくらいの、良く通る美音だ。

しかし、俺達にとっては恐怖の音以外の何物でもなかった。

「あの大男の…」

「だよな」

「探してるんだよ、俺らを!!」

再び、俺たちは猛ダッシュで森の中へと駆け始めた。
辺りがやや明るくなったせいか、以前よりは周囲が良く見える。

躓いて転ぶ心配が減ったせいか、かなりの猛スピードで走った。

20分くらい走っただろうか。
少し開けた場所に出た。
今は使われていない駐車場の様だった。

街の景色が、木々越しにうっすらと見える。
大分下ってこれたのだろうか。

腹が痛い、とカズヤが言い出した。
我慢が出来ないらしい。
古びた駐車場の隅に、古びたトイレがあった。

俺も多少もよおしてはいたのだが、大男がいつ追いついてくるかもしれないのに、個室に入る気にはなれなかった。
俺がトイレの外で目を光らせている隙に、カズヤが個室で用を足し始めた。

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