秘密の兄妹 2
第1章 狂った宴
「素肌合わせてるとやっぱり気持ちいいな…」
お兄ちゃんは私のことを自分の腕の中にすっぽり収めて、私の首筋に顔を埋める。
「…紫織、少し眠れ。お前、ほとんど寝てねぇだろ?
お前がいつも学校に登校する時間まで、あと2時間はある。
俺の携帯のアラーム、その時間に鳴るように設定しておいた。
…俺も眠い…」
そう言うと直ぐにスゥとお兄ちゃんの寝息が聞こえてきた。
その安らかな寝息を聞きながら、私も瞼を閉じ、ゆっくりと意識を手放す。
――――――
―――
ピピピピピ…!!
設定していたアラームが鳴り、私は目をぱちりと開ける。
2時間、死んだようにぐっすりと寝てた…
お兄ちゃんも目を開けると、気だるそうに後ろを振り向き、サイドテーブルの自分の携帯に手を伸ばすと、部屋に響くアラームの音を止める。
そして、私の方の携帯を手に取り「沢村にメール入れとけ…」と言い、私に渡す。
『今日はお兄ちゃんと病院に行ってきます。
だから学校は休むことになると思う。
由香、迷惑かけるけどごめんね。
明日はちゃんと学校に行くので安心してください。』
私がそう打ち込んで送信すると、直ぐに『了解!!』とウサギが敬礼しているスタンプが送られてきた。
私がそれを見てクスッと笑っていると、お兄ちゃんに携帯を取り上げられサイドテーブルに戻される。
お兄ちゃんは私の腰をさすると「まだ、立てなそうか?」と尋ねてくる。
「…何とか立てる…とは、思う…
けど、歩けるかどうかは……」
試しに身体を起こそうとしてみると「動かなくていい」と言われ、お兄ちゃんに頭をポンポンと撫でられる。
お互い見つめ合い、引き寄せられるように唇が重なり、そのままベッドに倒れ込み濃厚なキスを交わし始める。
自分の口内を蹂躙されているのに、それが気持ちいいとさえ感じる私は、身体中が完全にお兄ちゃんに毒されて、その毒に酔いしれる中毒患者のようになってしまっている。
「…んぅ」
キスが終わり、息を整えながら身体を横にしてお兄ちゃんと向き合う。
お兄ちゃんは少し乱れた私の髪を、骨ばった指で梳いて整えると、長い髪をひとふさ自分の手に取り口づけを落とす。