テキストサイズ

秘密の兄妹 2

第1章 狂った宴

「…紫織、今日は俺から顔を背けるな。俺の全てを直視しろ」

紫織の頬を撫でながら、真面目な眼差しでそう言うと、紫織は不思議そうに俺の顔を見た。

俺は、俺を見上げる紫織の綺麗で愛らしい顔を眺めながら、淡々とした口調で紫織に告げる。

「……なあ紫織、お前、俺の【モノ】、ちゃんと見たことないだろ。
いつも直視しないようにしてるよな?
…今日はその俺の雄の部分をきちんと見てもらう」

「え…?」

困惑の顔を滲ませている紫織に、俺は更に続ける。

「男の身体がどうなっているか、いつもお前の中に突っ込んでいるものがどんなモノなのか……
お前を喘がせて、お前の身体を気持ちよくさせているものがどんなモノなのか、今日は目を逸らさずきちんと見ろ。」

2、3度まばたきをしてから、俺の言っていることを理解して、顔を青ざめさせていく紫織に、俺はなるべく優しめの口調で言う。

「お前がいつか誰か他の男の【それ】を見る日は必ず来る。
だったら、紫織のその最初の男は俺でありたい。

俺は全てにおいて、お前の最初の男になりたい……
お前の初めてを全部貰いたい。」

最後の方は、ほとんど懇願に近い気持ちで言葉にした。

「駄目か…?」

「…………」

「それとも、初めては、ちゃんと好きになった男がいいか……?
俺じゃ嫌か……?」

「……嫌って言ったら……?」

俺は少し遠い目をしてから、瞳に熱を宿して紫織に答える。

「分かってるだろ。お前がいくら嫌がっても、無理やりにでも俺が全て経験させる……
セックスに関する全ての知識を、俺のこの身体でお前に教え込んで、俺がお前の初めての男になる。

これは俺の【願い】でも【頼み】でもなく、【決定事項】だ。」

俺がそう言うと、紫織は妙に落ち着いた表情をして、数秒間、目を閉じた。

閉じていた目を開くと、紫織は澄んだ声で、確認するように俺に言う。

「私はお兄ちゃんのオモチャだもんね……
オモチャは持ち主の言うことは何でも聞かなきゃいけない……
そうでしょ?」

紫織の言葉を聞いて、俺は胸が痛いくらいに締め付けられた。

…お前が俺のものになってくれるなら

俺の言うことを聞いてくれるなら

俺はどんな酷い男になってもいい……

最低のクズに成り下がってでも、お前を傍に縛りつけておく……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ