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秘密の兄妹 2

第3章 純哉と奏多


驚いて後ろを振り向くと、そこには空になった学食の食器を乗せたトレイを持って立っている奏多くんと純哉くんがいた。


「ちょっと、奏多!顔怖いよ!
そして先輩たちを睨むな!
橘先輩と神保先輩が紫織を泣かせたわけじゃないから落ち着きなよ。

先輩たちに紫織の恋愛相談してたら紫織が感情高ぶらせちゃって、ちょっと涙ぐんじゃっただけだって。」


由香がフォローしてくれたので、私も落ち着きを取り戻して頷く。


「うん。2人にいろいろ相談してたら自分の不甲斐なさが情けなくなってきて、ついウルッときちゃっただけ。
橘さんと神保さんは何も悪くないよ?
私のこと心配してくれて、気遣ってくれる優しい先輩だよ。」


「……恋愛相談……?」


奏多くんの米神がピクリと動く。


「奏多、あまりしつこく詮索すると女の子に嫌われるからそのくらいにしとけ。
紫織ちゃん、せっかく元気になったんだし、今はこれ以上は追求せずにそっとしておいてやれ。」


純哉くんが奏多くんの肩をポンと叩き、場の空気を和らげようとしてくれる。


「…………」


「あっ、橘先輩、神保先輩、紹介しますね。
私の後ろに立っているのが私の彼氏の【藤本純哉】。
紫織の後ろに立っているのが私たちの友達の【相馬奏多】です。
純哉は弓道部のエースで、奏多は剣道部のエースなんですよ。
2人とも1年なのに部内では既にレギュラーなんです。
この機会に、顔覚えておいてください。」


由香は何事も無かったかのように、橘さんと神保さんに2人を紹介した。






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