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秘密の兄妹 2

第3章 純哉と奏多


「初めまして、藤本純哉です。
由香がいつもお世話になってます。」


純哉くんは橘さんと神保さんに丁寧に頭を下げる。


「……どうも。」


奏多くんも、渋々という感じで純哉くんに続いて先輩2人に頭を下げた。


「あぁ、初めまして。
そっかそっか!君が沢村さんの彼氏の純哉くんね。
…で、そっちが例の【奏多くん】?」


神保さんが口にした言葉に私は首を傾げる。


「【例の奏多くん?】。
…神保さん、奏多くんのこと知ってるんですか?」


私が不思議そうに尋ねると「昨日のお昼にちょっとだけ話題に出たんだよね」と、由香と橘さんに目配せをした。


「ねぇ純哉。明日の土曜日、弓道部も剣道部も西高と練習試合あるんだったよね?
なら、今日は早く帰れるの?」


「あぁ、今日は部活休み。
各自コンディション整えておけって、顧問の先生と部長に言われた。」


「じゃあ、今日一緒に帰ろう?
久しぶりに帰りにどこか寄り道していこうよ。」


「あぁ、そうしよう。
帰りのホームルームが終わったら由香のクラスに迎えに行くから待ってて。」


「うん、分かった!待ってるね。」


純哉くんは由香の肩に掛かるくらいの長さの髪の毛をくしゃっと撫でると「放課後な」と言って踵を返し、その場を離れていく。


一方、奏多くんは何故か橘さんのことをじっと見ていた。


「…何?」


橘さんもそれに気づき、じろりと奏多くんを見返す。


「いえ…」


奏多くんは私に向かって「悩みがあったら俺にも相談しろよ?」と優しい声で言うと、純哉くんのあとを追った。




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