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第8章 かわいいひと〜秘密〜



それからというもの。

なんとなく、二宮の事が気になった。

気になったというか…
学校にいると探したり、見かけたら自然と目で追ったり。

家に帰る時も前を歩いてそうな気がして。

だから不意に、おつかれ、ってコンビニで働く俺に声を掛けてきた時、ちょーびっくりした。

「んふふ。そんなビビんなくても。」

「もー。びっくりさせないでよ!」

「今日も頑張ってんな。勤労青年!」

二宮はパンや飲み物をいくつか掴みレジへ向かった。

少し目で追いかけたけど仕事…って手を動かす。

「後で飲めよ。」

渡されたのは買った印のテープの貼られた缶コーヒー。

にこっと笑って俺のエプロンやズボンのどこかへ突っ込め!とグイグイ。

「あは!ちょっと!もう!」

おかしくて笑ってしまったけど小さい声で咎める。

「じゃーな!」

手をふりふり出て行く後ろ姿を見送った。

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