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第13章 かわいいひと〜クリスマス〜



クリスマスイブだって。

賑やかな音楽、華やかなイルミネーション、楽しそうに歩く家族やカップル。

……

なにが悲しくて働いてんだって。

きっと彼女と別れてなくてもバイトだったかもしれない。

でも別れた今はバイトでよかったとさえ思ってる自分がこわい。

友達とでも遊べよってね。

いや…みんな彼女とデートで忙しいのかなぁ。

そんなことを考えて。

表のゴミを集めなきゃ。

外でゴソゴソやってると声をかけられた。

「このゴミもいいですか?」

「はい!」

振り向くと、ふふふと笑う、してやったり顔の先生。


会えたことがうれしい。


動きが止まってた俺は先生に向かって早口で話しかけた。

「もう!声まで変えてー!
今からどっか行くの?」

「うん。ちょっと大野さん達と。」

「ほどほどにね。お酒。」

「はい、はい。」

言われちゃった、って顔の先生がやっぱり可愛いって思う。

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