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第16章 かわいいひと〜おとなとこども〜



「せんせ?
好き。好きだよ。」

「…うん。」

「先生の気持ちは?」

「……」

「そ。いいよ。

俺、好きでいるから。
好きでいていいよね?」

「……」

「俺の気持ちだからね。
俺が好きにするよ?

ね、せんせー?
俺、がんばる。
先生を俺のものにしてみせるよ。」

泣きそうな顔のまま笑うから。

「…がんばらなくて…

いい…から…」

聞こえた?

思わず下を向いてしまった挙句小さいだろ、ってボリュームの声に自分で腹が立つ。

相葉の顔を上目遣いで見やると、

あれ?

なんか怒ってる?

むぅ、って唇を突き出してんの気づいてる?

可愛くて指が無意識にその唇を摘んだ。

「なんで怒ってんの?」

「だっ!
だって!先生がっ!
頑張らなくていいって。」

「うん。」

「頑張る必要ないってこと?
俺のものにするって言ってんのに。無理ってこと?
好きにさせてみせるってば!」

鼻息荒く一気にまくし立てた。

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