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第18章 かわいいひと〜ひとつずつ〜



久しぶりに三人で飲み会。

乾杯して割とすぐに大野さんが切り出すからつい恨めしげな視線を送ってしまう。

「にの。
おめでと。」

にやにやして俺の生ビールに自分のそれを合わす大野さん。

そのとなりで翔ちゃんがハテナを何個か浮かべた顔で俺と大野さんを交互に見るから、
言うつもりでいたんだ、
って前置きして話し始めた。

「その…えっと…
好きなひとが出来てさ。」

「へぇ。そうなんだ。
よかったね?って、なにこれ。
そんな改まって話すことかよ。」

「まあね。」

そこまでで口を閉ざした俺に代わって大野さんが説明してくれる。

「ある意味、改まって話したいことだよね?」

「…。」

俺を見てクスクス笑う。

翔ちゃんは焦れったいって感じで先を急かした。

「あーっ。なんなんだよ。
早く教えろ。」

「翔くんの知ってる人だよ。」

大野さんの言葉に驚いて大きな目を更に大きくしてる。

「うん。
よく知ってる人だよ。」

ちょっと楽しくなった俺は大野さんの説明に足しながら、あいつの顔を思い浮かべた。

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