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第19章 かわいいひと〜近くて遠い〜



俺の進路はほぼ決定して、少しセーブしてたバイトも通常に戻して働いてた。

もう少し増やして学費の足しにしようかと思う。

悲しいかな、先生には会えないから時間は山ほどあるし。

先生には休み時間や放課後、相変わらず会いに行ってるし、先生もバイト先に顔を出してくれる。

特に何もないささやかな日常。

それでも先生とのメールのやり取りにニヤける毎日。

気持ちが繋がってるって思うだけで嬉しいんだ。

バイトの帰り道、珍しく鳴った携帯に出ると大きめのご機嫌な先生の声。


…酔ってるね。


『まさき~!』

ほらね。

普段、下の名前でなんか呼んだことないのにさ。

ぶー垂れた顔で返事をする。

『はい?』

『まさ…き…』

『なあに…

和也。』

一瞬、間があって、

『んふ。
もっかい。』

甘えた声が耳に届く。

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