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第19章 かわいいひと〜近くて遠い〜
酔ってるんでしょ?
どんだけのスピードで歩いて来たの?
随分早くやって来た先生に駆け寄ると俺の胸に飛び込んで、
「会いたかった~!」
って熱烈なチューをかまされた。
俺は周りを見渡して誰もいないのを確認して先生の背中に腕を回す。
でもすぐ不具合に気づいた先生が唇を離して俺を見る。
ハテナの顔で俺を見つめてもう一度、唇を重ねた。
食むキスをして舌を割り込ませようとするのに叶わないのは真一文字に結んだ俺の唇。
「…なんで?」
トロンとした瞳で再度見つめられる。
「ダメ。」
「なんでぇ…」
「こういうキスは…
しない。
ダメ…」
「……」
「とっとく。」
「へ?」
「最後までヤる時まで…
取っておく。」