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第20章 かわいいひと〜少しだけ〜



相葉は俺より冷静だった。

『先生、大丈夫?
ごめんね。』

『なんでお前が謝るの?』

『だって…』

『大丈夫。
後ちょっと、頑張ろうな。』

相葉が少し鼻をすすってるのが聞こえる。

それでも努めて明るい声で俺に話してくれるから、なんともいえない気分。

弱さと強さ。

両方、大事にしてやりたいと心から思う。

『うん。頑張る。
俺は全然、大丈夫だよ。
先生は大丈夫?』

『大丈夫。
そう、学校では今まで通り。
逆に、敢えて、な?』

『わかった。
先生?大好きだよ?』

『俺も。』

通話を終えてカレンダーを見た。

後、少しで今年も終わる。

そしたら2ヶ月ちょいで卒業だ。

その時は盛大にお祝いしてやろう。

その前にやってくるあいつの誕生日。

ふたりで会う時間がないとしても渡せるようにプレゼントを用意しようと頭の中であれこれと考えた。

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