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第22章 かわいいひと〜その日〜



一次会の食事の場所から二次会のカラオケだかに移る時。

もう帰るわ、と松潤に伝えると、ニヤリと不敵な笑みを投げかけられる。

へへ。

じゃあまたね、
と軽く手を挙げてさりげなくその場から抜けようとしてたのに一人の女子に捕まった。

「相葉くん。もう帰るの?」

「あ、うん。」

「もしかして彼女と会うとか?」

「…」

俺が黙ってると、俺の洋服を引っ張って可愛らしく体を寄せて上目遣いに見る。

「私、相葉くんのこと、好きだったんだ。」

あああ。
ごめん。

ちょっと前の俺だったら間違いなく、
俺も前から気になってたんだよね、
とかなんとか言って二人で消えてたね。

でもね、ごめんね。

「ごめんね。俺、応えられない。」

「彼女がいるって本当なんだ?」

そこは曖昧な笑みで誤魔化して、
もう行かないと、
とその場を離れる。

もうわかったよね?

大事な人がいて、その人に会いに行くのは。

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