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第22章 かわいいひと〜その日〜
玄関の中へ入って、んふふ、ってどちらともなく笑って、今朝も会ったのに久しぶりって思う。
靴を脱ぎその場に立って、じっくりと先生の顔を見た。
「ただいま?」
「おかえり?」
疑問符の言葉は照れくさくて意味もなく出たものなんだけど先生もつられてるからまた、んふふ、って笑ってしまう。
でも。
その後どうしたものか言葉も足もうまく出せない。
突っ立ったままの俺の前で先生もどうしていいのかわからないみたいにモジモジ。
でもおもむろに俺の両手を取ってぎゅっと握ったかと思ったら先生がそのまま後ろ向きに部屋へと進む。
こっち
って。
途中で片手になって、大した距離のない廊下を手を繋いで歩く。
ソファ前のラグのところで止まって正座するから膝を突き合わせて俺も正座した。