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第25章 かわいいひと〜旅立ち〜
耳にキスして。
「学校慣れた?」
「うーん?まだかなぁ。」
顎のラインを唇で伝って。
「友達できた?」
「友達って呼べるほど仲良くは…まだ。でも何人か、話しやすい人はいるよ。」
「そっか。」
今度は雅紀が俺に質問。
頬に唇を寄せて。
「新学期慣れた?」
「ぼちぼち。」
耳にキスして。
「俺いなくて寂しい?」
耳はダメー。
んふ、って笑って身をよじる。
それなら…と、ついいじめたくなって耳を舐めた。
お前も耳弱いよね?
「ひゃ!」
そんなびっくりしなくてもー。
ごめん、って頬に戻る唇を雅紀が追いかけてきた。
「寂しい。
学校も家も。
いっつも寂しい。」
そして唇は動かないまま静かに重なる。