Everything
第33章 かわいいひと〜強くなる〜
不思議だった。
寮という名のワンルームのアパート。
今、俺はそこに泊まりに来ている。
雅紀のこの小さい城に招待されて何故かくつろげずにベッドの端にとりあえず腰を下ろした。
「大丈夫なのか?」
「なにが?」
「ここに俺が来て。」
俺の言わんとすることを理解し答えてくれる。
「親戚?いとこ?ってことにすればいい。
ま、他の人に出くわさなければ詮索されないし。」
「そうか。」
それならいいけど、と少ない荷物のリュックに手をかける。
「それに…」
付け足そうと話すから顔を上げる。
「見て欲しかったんだ。
俺がどんなところで、どんな風に暮らしてるか。」
俺は立ち上がり、勉強机を触ったり、その棚の教科書をめくったり。
そうだね。
今はここがお前の暮らす場所。