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第1章 描いた未来に〜出会い〜

で…

なんで

“はじめましてじゃない”

のか。

少し前のある日。

俺が休憩室でコーヒー飲んでたら、その奥の喫煙所に二宮さんが入って行った。

あ、大ちゃんが仲いい人だ。確か“にの”って人。

そんなことを思いながらコホンと咳をした。
昨日から咳が出る。
季節の変わり目はよくあること。

一服が済んだらしい二宮さんが俺の近くの自販機でコーヒーを押して、ガゴンと落ちてきたそれを取り出す。

その間も咳をしていた俺。

二宮さんはポケットから何か取り出して俺の方を向いて、

「はい。」

と言った。

渡されたのは、のど飴。

「俺も最近、咳出るんだ。」

少し頬をクシャっとして、じゃあね、と去って行った。

一目惚れ?

男の人に?

ドキドキした胸の音に戸惑いながら手のひらの のど飴をもったいないと思いつつ口に入れた。

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